日本株週刊 2026年9月7日から11日 日経平均週間1.55%安、原油100ドル台、半導体主導の上昇から原油・金利高へ転じた一週間 2026.09.07–09.11 / 日本株週刊 半導体高から原油・金利高へ 日経平均は週間1.55%安 日経平均・週間 -1.55% Brent 104.61ドル グロース250・週間 -3.63% 物色はAI・半導体から資源・金融へ kabutrack.com

今週の3行まとめ

  • 週初は半導体主導、週末は原油・金利主導へ。 7日は日経平均が+2.12%でしたが、11日は-1.93%。物色テーマがAI・半導体から資源・金融へ移りました。
  • 指数の強さより市場の広がりが弱かった週。 7日は日経平均が1,378円高でも東証プライムの値下がり銘柄が値上がりを上回り、その後の下落局面ではTOPIXにも売りが広がりました。
  • 来週は金融政策週。 9月15〜16日にFOMC、17〜18日に日銀金融政策決定会合が予定され、米CPI後の金利、原油100ドル台、円相場が主要な引き継ぎ材料です。

① 週間パフォーマンス

前週末9月4日の日経平均は65,020.94円、TOPIXは4,103.23でした。7日朝は日経平均65,600.42円で始まり、半導体・値がさ株の買いで66,399.84円まで上昇しました。翌8日には66,791.84円まで上値を伸ばしたものの、円高と市場の広がり不足から反落。その後は原油と金利の上昇が重荷となり、11日には一時63,208.63円まで下落しました。

指数9/4終値9/11終値週間騰落
日経平均株価65,020.94円64,011.34円-1,009.60円(-1.55%)
TOPIX4,103.234,028.30-74.93(-1.83%)
東証グロース市場250指数796.82767.93-28.89(-3.63%)

週間では、日経平均が-1.55%、TOPIXが-1.83%、東証グロース市場250指数が-3.63%。日経平均は高値66,791.84円、安値63,208.63円で、週内値幅は3,583.21円でした。TOPIXも週初高値4,140.93から金曜安値3,967.18まで振れています。

売買代金はイベントの多さを映して高水準でした。東証プライムは7日に約8.04兆円、10日に約8.38兆円、11日は約8.71兆円。週末に向けて取引が膨らみ、SQ、原油高、米金利上昇を巡るポジション調整が強まりました。

週初の特徴は、指数上昇が一部銘柄に集中していた点です。7日はソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄だけで日経平均を約839円押し上げました。日経平均が2%超上昇した一方、東証プライムでは値下がり883銘柄、値上がり630銘柄。週初から「指数高=全面高」ではありませんでした。

直接確認先: 日経平均プロフィル「日次サマリー」 / JPX「株価指数」 / JPX「先物・オプション価格情報」

② 米国株・SOX・NVIDIAなど海外材料

米国市場は週を通じ、AI需要の強さとインフレ・金利上昇が綱引きとなりました。SOXは9月8日に11,887.87、9日に11,931.32まで上昇した後、10日に11,614.17へ2.66%下落。11日は11,847.15、+2.01%へ反発しました。前週末11,735.26との比較では約0.95%高です。

SOXが週間プラスを維持した一方、NVIDIAは前週末230.36ドルから週末に約219ドルへ低下し、週間では約5%安。AI関連でも指数全体と最大手個別株の温度差が出ました。日本株ではアドバンテストが7日の指数急騰を主導した一方、東京エレクトロン、イビデン、フジクラなどは週後半に金利上昇や利益確定の影響を受け、半導体・AIを一括して強気とみる環境ではなくなりました。

11日の米8月CPIは前月比+0.4%、前年比+3.4%。米国株は発表後に反発し、S&P500は+0.86%、NASDAQは+0.96%で終了しました。ただし週間ではS&P500が0.8%安、NASDAQが0.7%安。金曜の反発だけでは、週間のインフレ警戒を完全には打ち消していません。

直接確認先: Nasdaq「SOX Historical Data」 / Nasdaq「NVIDIA Historical Data」 / Nasdaq「NASDAQ Composite」 / S&P Dow Jones Indices「S&P 500」 / BLS「Consumer Price Index」

③ 為替・金利・原油・商品

今週の最大の変化は、株式市場の主役が「AI需要」から「インフレと金利」へ移ったことです。

ドル円は前週末の156円台から、11日終盤に153.69円前後まで円高が進みました。8日には円高が自動車や精密機器の重荷となり、輸送用機器は前場に3%超下落。輸出株は業績そのものより、為替前提の再評価を受けやすい週となりました。

日本10年債利回りは週中に3%へ到達。10日には日銀の増一行審議委員が、短中期の実質金利がマイナスの状況について早期の解消が望ましいとの考えを示しました。銀行・証券株は同日前場に逆行高となり、金利上昇が株式市場内の物色を変える材料になりました。

米10年債は11日に一時4.979%まで上昇し、CPI公表後は4.93%前後へ低下しました。5%が目前となったことで、高PERの半導体・グロース株にはバリュエーション面の負担が増しました。

原油はさらに大きな変化です。Brentは週中に109ドル台まで上昇し、11日の終値は104.61ドル、WTIは100.05ドル。週間上昇率は8%超でした。中東の供給不安が資源・石油株を支える一方、空運、物流、化学、外食などにはコスト負担として作用しています。

主なデータ参照先: 日本銀行「増審議委員・9月10日挨拶」 / 米財務省「Daily Treasury Par Yield Curve Rates」 / CME Group「WTI Crude Oil Futures」 / ICE「Brent Crude Futures」

④ 今週強かった業種・弱かった業種

相対的に強かった業種

資源・石油は週後半の主役でした。9日は非鉄金属が+6.88%、石油・石炭製品が+5.01%、鉱業が+2.17%。原油100ドル突破が収益期待を押し上げました。ただし、非鉄金属は10日に-4.53%と反落しており、「資源高」でも値動きは一方向ではありません。

銀行・証券は週初に弱かったものの、日銀の追加利上げ観測が強まった10日に銀行+1.87%、証券・商品先物+2.09%と逆行高。金利上昇局面で高PER株から金融株へ資金が移る構図が明確になりました。

海運は7日に+3.06%。週初のリスクオン局面で上昇しましたが、その後は原油高や世界景気への警戒が加わり、週を通じた強さは限定的でした。

相対的に弱かった業種

自動車・輸送用機器は円高が逆風となり、8日前場に-3.14%。ドル円が156円台から153円台へ動いたことで、輸出企業の為替感応度が再び意識されました。

空運は原油高の負担が大きく、資源株とは逆方向の感応度が目立ちました。Brentが100ドル台へ上がったことで、燃料費の上昇が収益圧迫要因として意識されています。

半導体・AIは「強い→弱い」の変化が最も大きいテーマでした。7日はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループが指数を押し上げましたが、米長期金利が5%へ接近した週後半には高PER株への売りが強まりました。SOXは週間プラスでも、日本の関連株は指数寄与度と金利感応度の高さから振れが大きくなりました。

⑤ 今週の注目決算・業績修正

三井ハイテック(6966は9日、2027年1月期中間期で売上高1,306.72億円、営業利益118.18億円。通期経常利益予想を145億円から200億円へ上方修正しました。EV・電機関連だけでなく、上方修正後の利益率が次の評価点です。

萩原工業(7856は7日、第3四半期累計の営業利益18.41億円、前年同期比38.2%増。株主優待制度の再開も公表し、業績と株主還元の両面で材料が出ました。

積水ハウス(1928は10日、中間期で減収ながら営業増益となり、通期経常利益予想を3,140億円から3,160億円へ上方修正。高金利局面では住宅需要と資金調達コストの両方が焦点になります。

ビジョナル(4194の2026年7月期は連結経常利益267億円、前期比17.5%増。2027年7月期は279億円を見込みました。一方、タイミー(215Aは2027年4月期第1四半期で売上高・営業利益とも前年同期比減少となり、成長株の選別が続きました。

アストロスケールHD(186Aは11日、第1四半期売上高11.95億円、営業損失27.50億円。通期見通しは据え置きで、受注・案件進捗と損益改善の時間軸が評価軸です。

KABUTRACK決算ノート: 三井ハイテック / 萩原工業 / 積水ハウス / ビジョナル / タイミー / アストロスケールHD

⑥ IPO・株主還元・優待の主な動き

アシックス(7936は9日、自己株式取得と消却を公表。通常市場で最大2,000万株・700億円を取得し、9月30日に2,500万株を消却する方針です。今週の株主還元では規模の大きい材料でした。

萩原工業(7856は株主優待制度の再開を発表。決算の増益と同時に還元策が出たことで、業績と株主政策を一体で評価する材料となりました。

エアトリ(6191は8日、ToSTNeT-3で87万6,700株を778円で取得し、予定数量を全株約定。ToSTNeT-3は自己株式取得専用の立会外取引であり、通常市場に継続的な買い注文が出る仕組みとは異なります。

IPOでは、KOMPEITO(618Aが11日に東証グロースへ上場。初値は公開価格1,600円を7.5%下回る1,480円でしたが、初日終値は1,670円と公開価格を4.38%上回りました。また、クラサスケミカル(646Aは9月29日の東証スタンダード上場承認が週初の新規材料となりました。

直接確認先: アシックス「IR情報」 / JPX「ToSTNeT取引の種類」 / JPX「新規上場銘柄一覧」 / KOMPEITO(618A)IPO情報 / クラサスケミカル(646A)IPO情報 / 萩原工業(7856)株主優待ニュース

⑦ 今週の注目銘柄5選

1. アドバンテスト(6857

週初の半導体相場を主導し、7日はソフトバンクグループと合わせて日経平均を約839円押し上げました。週後半は米金利上昇が高PER株の重荷となり、「AI需要は強いが、金利で評価倍率が動く」という今週の相場を象徴しました。

2. アシックス(7936

最大700億円の自己株式取得と2,500万株の消却を発表。業績材料ではなく、資本政策そのものが株価評価に与える影響を測る銘柄となりました。

3. 三井ハイテック(6966

中間決算と通期経常利益の上方修正が材料。原油・金利に市場全体が揺れる中でも、企業固有の利益成長が選別材料になることを示しました。

4. INPEX(1605)・ENEOS(5020

Brent100ドル突破で資源・石油株への資金流入が強まりました。来週も原油が100ドル台を維持するかで、相対優位が続くかが分かれます。

5. 萩原工業(7856

第3四半期増益と株主優待再開が重なりました。業績、株主還元、資本政策をまとめて評価する今週の個別株テーマに合致した銘柄です。

来週へ引き継ぐ3ポイント

1. FOMCと日銀会合――日米同時の金融政策週

FOMCは9月15〜16日、日銀金融政策決定会合は9月17〜18日。11日の米CPIは前月比0.4%で、CMEの金利先物が織り込む25bp利上げ確率は発表後に約85%へ上昇しました。日銀も原油高・企業物価・円相場を背景に追加利上げ観測が高まっています。

来週は「利上げの有無」だけでなく、次回以降の政策金利パスが株式のバリュエーションを左右します。銀行・保険と高PERの半導体・グロース株では、金利上昇の影響が逆方向に出やすい局面です。

2. 原油100ドル台が続くか

Brent104.61ドル、WTI100.05ドルで週を終えました。原油高が続けば資源・石油株の支援材料となる一方、空運、物流、化学、外食、電力・ガスなどではコスト負担が拡大します。

相場全体では、原油高が企業コストだけでなくインフレ→中央銀行の利上げ→長期金利上昇へつながる点が重要です。原油が落ち着けば株式全体には安心材料、再び109ドル台を試す展開ならインフレ警戒が再燃しやすくなります。

3. 日経平均64,000円と市場の広がり

日経平均は金曜に64,011.34円まで戻して引けたものの、前場安値は63,208.63円でした。来週は64,000円回復の定着と、金曜安値を再び試さないかが短期的な水準です。

週初の上昇では値がさ株への集中が大きかったため、反発局面ではTOPIX、騰落銘柄数、売買代金が同時に改善するかが重要です。半導体数銘柄だけで指数が戻る場合と、金融・内需まで買いが広がる場合では、相場の持続性が異なります。

来週への基本線: 日経平均は64,000円を軸に戻りを試す余地がある一方、原油100ドル台と日米長期金利の高止まりが続く限り、上値追いよりも業種間の選別が強い相場になりやすいとみます。

直接確認先: Federal Reserve「September 2026 Calendar」 / 日本銀行「公表予定」 / CME Group「FedWatch Tool」

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出典

投資リスク

日経平均株価の指数著作権は日本経済新聞社、TOPIXと東証グロース市場250指数の知的財産権はJPX総研に帰属します。本文では、9月7〜11日の相場動向を伝えるため、必要な指数値に絞って記載しています。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買や将来の利益を推奨・保証するものではありません。株式・ETF等への投資は価格変動により投資元本を割り込む可能性があり、為替・金利・原油・地政学・流動性などの影響で損失が拡大する場合があります。