2026年8月労働力調査

前月比較と前年同月比較は分けて読む

完全失業率の0.1ポイント上昇は季節調整済みの前月比較だ。就業者14万人増、完全失業者2万人減は原数値の前年同月比較であり、同じ期間の変化を示しているわけではない。

失業率の上昇と失業者数の前年比減少は両立する。雇用の足元の方向を判断するには、季節調整済みの就業者数・失業者数や労働力人口、求職理由も併せて見る必要がある。

所得と企業の人件費が次の判断材料

就業者数が前年を上回ったことは家計所得を支える要素だが、個人消費への波及は賃金と物価にも左右される。雇用者数だけで実質購買力の改善までは判断できない。

小売・サービスでは需要の下支えと人件費負担が併存する。企業ごとの採用状況や利益率に加え、毎月勤労統計の賃金動向、有効求人倍率の業種別の動きが手掛かりとなる。

日銀の政策判断や円相場・国債利回りへの影響も、失業率の単月の変化では決まらない。賃金と物価の持続性を含めて読む統計だ。

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