2026年8月国際収支速報

今日の見方

経常黒字は前月から1兆731億円増えました。内訳ではサービス収支の赤字が5,129億円から1,158億円へ縮小し、旅行収支は3,999億円の黒字でした。一方、貿易収支は前年同月の1,138億円黒字から赤字へ転じ、第一次所得への依存度はなお高い構図です。黒字額だけでなく、どの収支が押し上げたかが焦点です。

海外配当・利子の増加は外需・金融関連企業の収益環境を映しますが、それだけで円買いが進むとは限りません。輸入の伸びは商社、電力・ガス、食品などの調達コストに響くことがあり、ドル円や資源価格、価格転嫁の状況も見ておきたいところです。

注目ニュース

1. 経常黒字は4兆620億円

8月の経常収支は4兆620億円の黒字で、前年同月から4,339億円、前月から1兆731億円増えました。ただし原数値は季節性を含むため、前月差だけで基調を断定できません。

投資家が見る点: 貿易・サービス収支と所得収支の寄与を分けて見ます。国際収支上の黒字計上と、実際の資金還流には時間差があり得ます。

2. 第一次所得が黒字を支える

第一次所得収支は5兆1,332億円の黒字で、前年同月比21.6%増でした。直接投資収益は2兆6,467億円、証券投資収益は2兆4,596億円の黒字です。サービス収支は1,158億円の赤字へ縮小しました。

投資家が見る点: 海外事業比率の高い企業には追い風となり得ますが、国際収支上の再投資収益は国内への現金送金と一致しません。決算では海外利益の換算とキャッシュフローを分けます。

3. 輸入の伸びが輸出を上回る

輸出は9兆8,623億円で前年同月比16.9%増、輸入は10兆5,500億円で26.7%増となり、貿易収支は6,877億円の赤字でした。旅行収支は3,999億円の黒字で、前年同月の3,624億円を上回りました。

株価材料として見る点: 輸出増は製造業の支えになり得る一方、輸入増は数量・価格・円安の影響を含みます。輸出企業、インバウンド関連、輸入型内需企業では影響が異なるため、各社の為替感応度や価格転嫁力に照らして見ます。

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