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まず確認したい公的支援チェック表

自分に関係しそうな制度を探すときは、まず「今の状況」から見るのが早いです。

あなたの状況主な制度・手当主な申請・相談窓口
会社を退職した、次の仕事を探している基本手当、再就職手当ハローワーク
収入が減って家賃が払えない住居確保給付金自立相談支援機関、市区町村
生活費が足りず困窮している生活保護、生活福祉資金貸付福祉事務所、社会福祉協議会
妊娠した、子どもが生まれる妊婦のための支援給付、出産育児一時金市区町村、健康保険
子育て中児童手当、育児休業給付金市区町村、ハローワーク
ひとり親で子育てしている児童扶養手当、ひとり親家庭医療費助成市区町村
病気やけがで仕事を休む傷病手当金健康保険組合、協会けんぽなど
医療費が高額になった高額療養費制度健康保険組合、市区町村国保など
家族を介護するため仕事を休む介護休業給付金ハローワーク
育児と仕事を両立したい出生後休業支援給付金、育児時短就業給付金ハローワーク、勤務先
資格取得や学び直しをしたい教育訓練給付金、職業訓練受講給付金ハローワーク
年金収入が少ない年金生活者支援給付金年金事務所、市区町村
病気やけがで障害が残った障害年金年金事務所、市区町村
家族が亡くなった埋葬料・埋葬費、葬祭費、遺族年金健康保険、国保、市区町村、年金事務所

この表は入口です。実際には、雇用保険の加入期間、健康保険の種類、所得、世帯構成、住んでいる自治体、申請時期で対象かどうかが変わります。

1. 退職・失業時に使える給付金

退職後の生活維持や再就職を支える中心は、雇用保険の給付です。窓口はハローワークです。

基本手当

基本手当は、いわゆる失業手当・失業保険です。

失業中の生活を支え、再就職活動に専念するための給付です。受給には、雇用保険の加入期間、離職理由、働く意思と能力、求職活動の実績などが関係します。

自己都合退職か会社都合退職かでも、給付制限や給付日数が変わります。退職したら、まず離職票を受け取り、ハローワークで手続きしましょう。

再就職手当

再就職手当は、基本手当の支給残日数を残して、早期に安定した職業に就いた場合に支給される手当です。

「失業手当を全部もらってから働いた方が得」と思われがちですが、早く再就職した場合でも支援される仕組みがあります。

ただし、待期期間、支給残日数、雇用見込み、前職との関係など、細かい条件があります。

就業促進定着手当

就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が再就職先に一定期間定着し、再就職後の賃金が離職前より下がった場合に、差額の一部を補う制度です。

再就職後すぐではなく、一定期間働いた後に確認するタイプの給付です。忘れやすいので、再就職手当を受けた人はハローワークの案内を保管しておきましょう。

技能習得手当・寄宿手当

公共職業訓練などを受ける場合、基本手当に加えて技能習得手当や寄宿手当が関係することがあります。

職業訓練は、生活費を支えながらスキルを身につける選択肢です。ただし、訓練コース、受講指示、通所条件などで扱いが変わります。

2. 妊娠・出産・子育てに関する給付金

子育て関連の制度は、2024年以降に拡充されたものが多く、申請が必要なケースもあります。窓口は、市区町村、健康保険、ハローワークなどに分かれます。

妊婦のための支援給付

妊婦のための支援給付は、妊娠期からの相談支援と経済的支援を組み合わせた制度です。

2025年度から制度化され、妊娠時に5万円、妊娠している子どもの人数に応じてさらに5万円ずつの支援が行われます。単胎の場合は合計10万円が目安です。

自治体によって手続き、面談、申請期限、支給方法が異なるため、妊娠届出時に市区町村で確認しましょう。

児童手当

児童手当は、子どもを養育する世帯に支給される手当です。

2024年10月分から、主に次のように拡充されています。

  • 所得制限の撤廃
  • 支給対象を高校生年代まで延長
  • 第3子以降を月額3万円に増額
  • 支給回数を年6回、偶数月支給へ変更

2026年6月時点では、3歳未満は月額15,000円、3歳以上高校生年代までは月額10,000円、第3子以降は月額30,000円が基本です。

ただし、子どもの数え方や申請の要否には注意が必要です。高校生年代の子どもがいる世帯、多子世帯、過去に所得制限で対象外だった世帯は、自治体の案内を確認してください。

出産育児一時金

出産育児一時金は、健康保険の被保険者または被扶養者が出産したときに支給される給付です。

2026年6月時点では、産科医療補償制度の対象となる出産では、1児につき原則50万円です。多胎出産の場合は胎児数分が支給されます。

医療機関へ直接支払う仕組みを利用するケースが多く、窓口で全額を立て替えなくてよい場合があります。

出産手当金

出産手当金は、会社員など健康保険の被保険者が出産のために会社を休み、給与が支払われない場合に支給される制度です。

対象は主に産前産後休業の期間です。国民健康保険には、会社員の健康保険と同じ形の出産手当金は原則ありません。

育児休業給付金

育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取得したとき、休業中の収入を補う制度です。

勤務先で育休を取得する人は、会社の人事・労務担当とハローワーク手続きの流れを確認しましょう。

3. ひとり親世帯が確認したい支援制度

ひとり親家庭向けの支援は、市区町村が窓口になるものが多いです。

児童扶養手当

児童扶養手当は、離婚、死亡、未婚などにより、ひとり親家庭となった世帯を支える手当です。

所得制限があり、子どもの人数や所得によって支給額が変わります。毎年の現況届も重要です。

ひとり親家庭医療費助成

ひとり親家庭医療費助成は、ひとり親家庭の親と子どもの医療費負担を軽くする自治体制度です。

助成内容は自治体によって異なります。自己負担が一部残る地域もあれば、所得制限がある地域もあります。

高等職業訓練促進給付金

高等職業訓練促進給付金は、ひとり親が看護師、保育士、介護福祉士、IT関連資格など、就職に結びつきやすい資格取得を目指す場合に、修業期間中の生活費を支える制度です。

月額や対象資格、期間は自治体や制度条件によって変わります。学校に申し込む前に、自治体窓口で対象になるか確認しましょう。

4. 生活困窮時に使える公的支援

生活費や住まいに困ったときは、早めに自治体や福祉事務所へ相談することが大切です。

生活保護

生活保護は、資産や能力、年金、手当、就労収入などを活用しても生活できない人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度です。

生活保護には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つがあります。

生活費だけでなく、医療、介護、教育、住まいまで幅広く支える制度です。相談先は福祉事務所です。

住居確保給付金

住居確保給付金は、離職、廃業、やむを得ない減収などで住居を失うおそれがある人に対して、一定期間、家賃相当額を支援する制度です。

支給には上限があり、自治体や自立相談支援機関が窓口になります。本人に現金で自由に使えるお金が渡されるというより、家賃支払いを支える制度として理解した方が実態に近いです。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯などを対象に、生活再建に必要な資金を貸し付ける制度です。

これは給付ではなく貸付です。返済が必要になるため、給付金と同じ感覚で使うのは危険です。窓口は社会福祉協議会です。

5. 病気・けが・介護で休むときの給付金

病気やけが、家族の介護で働けないときは、健康保険や雇用保険の給付を確認します。

傷病手当金

傷病手当金は、会社員などが業務外の病気やけがで働けず、給与が支払われない場合に、健康保険から支給される制度です。

連続して3日間休んだ後、4日目以降の休業が対象になります。支給期間は通算して最長1年6か月です。

国民健康保険には、会社員の健康保険と同じ形の傷病手当金は原則ありません。フリーランスや自営業者は、生活防衛資金や民間保険の必要性も含めて考える必要があります。

高額療養費制度

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

自己負担限度額は、年齢や所得区分によって変わります。住民税非課税世帯では、一般区分より低い上限額が設定される場合があります。

入院や手術が決まっている場合は、限度額適用認定証やマイナ保険証の利用も確認しましょう。

介護休業給付金

介護休業給付金は、家族を介護するために介護休業を取得した場合、雇用保険から支給される制度です。

対象家族、休業期間、雇用保険の加入状況などの条件があります。勤務先とハローワークで確認します。

労災保険の給付

仕事中や通勤途中のけが・病気は、健康保険ではなく労災保険の対象になる場合があります。

療養補償給付、休業補償給付などがあり、勤務先を通じて手続きするのが一般的です。

6. スキルアップ・学び直しの給付金

資格取得やキャリアアップを考える人は、教育訓練給付金を確認しましょう。窓口はハローワークです。

一般教育訓練給付金

指定講座を受講・修了した場合、受講費用の一部が支給されます。

簿記、英語、IT、介護、医療事務など、幅広い講座が対象になることがあります。

特定一般教育訓練給付金

速やかな再就職やキャリアアップに結びつきやすい講座を対象に、一般教育訓練より手厚い給付が受けられる制度です。

受講前の手続きが必要になる場合があるため、申し込み前に確認しましょう。

専門実践教育訓練給付金

看護師、介護福祉士、専門職大学院、IT関連など、中長期的なキャリア形成につながる講座を対象にした制度です。

給付率や上限額は講座・期間・条件によって変わります。対象講座かどうかは、厚生労働省の検索システムやハローワークで確認します。

7. 年金に関わる給付

年金は老後だけの制度ではありません。障害や死亡時にも生活を支える役割があります。

障害年金

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に一定以上の制限が出た場合に受け取れる年金です。

障害基礎年金と障害厚生年金があり、初診日、保険料納付要件、障害状態などが重要です。

遺族年金

遺族年金は、年金加入者や受給者が亡くなったとき、遺された家族を支える年金です。

遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、家族構成や加入状況によって対象が変わります。

老齢年金

老齢年金は、原則として65歳から受け取る年金です。

老齢基礎年金、老齢厚生年金があり、保険料納付期間や働き方によって受給額が変わります。

8. 追加で見落としやすい給付金・手当

上の分類に入りきらないものの、実際の家計ではかなり重要な制度もあります。

職業訓練受講給付金

職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない求職者などが、無料の職業訓練を受けながら生活支援の給付を受けられる制度です。

厚生労働省は、求職者支援制度について「月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度」と説明しています。

対象になるには、ハローワークへの求職申込み、収入・資産要件、訓練受講、職業相談などの条件があります。失業手当を受けられない人ほど、先に確認したい制度です。

出生後休業支援給付金

出生後休業支援給付金は、子どもの出生後の一定期間に、両親がともに育児休業を取得する場合などに関係する給付です。

2025年4月から、育児休業等給付の一つとして位置づけられています。通常の育児休業給付金とは別に、出生直後の育児休業取得を後押しする制度です。

勤務先の育休制度、配偶者の取得状況、雇用保険の加入状況が関係するため、会社の人事・労務担当と早めに確認しましょう。

育児時短就業給付金

育児時短就業給付金は、育児のために時短勤務をする人を支える給付です。

こちらも2025年4月からの育児休業等給付に含まれる制度です。育児休業から復帰した後、時短勤務によって賃金が下がるケースでは、確認する価値があります。

ただし、賃金水準や支給対象月などの条件があります。時短勤務を始める前に、勤務先とハローワークの案内を確認してください。

年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、公的年金などの収入が一定以下の人に、年金に上乗せして支給される給付金です。

老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給者で、所得や世帯の条件を満たす人が対象になります。

2026年6月時点では、同一世帯の全員が市町村民税非課税であることや、前年の年金収入・その他所得が一定以下であることなどが要件になります。日本年金機構から請求書が届く場合もありますが、届いた書類を放置すると受け取りが遅れることがあります。

埋葬料・埋葬費・葬祭費

家族が亡くなったときは、健康保険や国民健康保険から葬儀に関する給付を受けられる場合があります。

会社員などの健康保険では、業務外の事由で被保険者や被扶養者が亡くなった場合、埋葬料・埋葬費・家族埋葬料が関係します。協会けんぽでは、家族埋葬料として5万円が支給されると案内されています。

国民健康保険では、自治体ごとに葬祭費が支給されることがあります。金額や申請期限は自治体で異なるため、亡くなった人が加入していた保険を確認しましょう。

9. 自治体独自の給付金・補助金も確認する

国の制度だけでなく、自治体独自の支援制度もあります。

代表的には次のようなものがあります。

  • 子育て世帯向け給付金
  • ひとり親家庭向け助成
  • 家賃補助
  • 高齢者向け補助
  • 医療費助成
  • 移住支援金
  • 省エネ住宅・リフォーム補助

自治体制度は、地域差が大きく、年度途中で予算終了することもあります。

検索するときは、次のように探すと見つけやすいです。

自治体名 子育て 給付金
自治体名 家賃 補助
自治体名 非課税世帯 給付金
自治体名 ひとり親 医療費 助成
自治体名 移住 支援金

申請前に必ず確認したい5つのポイント

給付金や手当は、制度名を知っているだけでは使えません。

申請前に、次の5つを確認しましょう。

確認項目見るポイント
対象者年齢、所得、世帯構成、雇用保険・健康保険の加入状況
申請窓口市区町村、ハローワーク、健康保険、年金事務所、福祉事務所
申請期限事前申請が必要か、事後申請できるか
必要書類本人確認書類、通帳、離職票、診断書、領収書、課税証明など
支給時期いつ振り込まれるか、審査にどれくらいかかるか

特に、退職、出産、医療、介護、住宅系の制度は、あとから気づくと使いにくいことがあります。

よくある誤解

誤解1 申請すれば誰でももらえる

実際には、所得制限、加入期間、世帯条件、申請期限、必要書類があります。

誤解2 給付金と貸付は同じ

違います。給付金は返済不要のものが多いですが、生活福祉資金貸付のように返済が必要な制度もあります。

誤解3 自治体制度は全国共通

自治体独自の給付金や助成は、住んでいる地域によって大きく違います。

誤解4 会社員もフリーランスも同じ制度を使える

健康保険、雇用保険、労災保険の加入状況によって、使える制度は変わります。

まとめ

日本には、退職、失業、病気、出産、子育て、介護、生活困窮などを支える公的制度があります。

ただし、多くの給付金や手当は、自動的には支給されません。自分で制度を知り、申請窓口へ確認する必要があります。

まずは、自分の状況を次のどれに近いかで考えてください。

  • 仕事を辞めた、失業した
  • 子どもが生まれる、子育て中
  • 病気やけがで働けない
  • 家族の介護が必要
  • 家賃や生活費が足りない
  • 学び直しや資格取得をしたい
  • 障害や死亡など年金に関わる事情がある

該当するものがあれば、市区町村、ハローワーク、健康保険、年金事務所、福祉事務所などへ早めに相談しましょう。

知らない制度は、使えない制度になりやすい。だからこそ、困ったときだけでなく、生活が変わる前に一度確認しておくことが大切です。

参考情報

  • 厚生労働省「雇用保険制度」
  • 厚生労働省「教育訓練給付制度」
  • 厚生労働省「求職者支援制度」
  • 厚生労働省「育児休業等給付」
  • 厚生労働省「生活保護制度」
  • こども家庭庁「児童手当」
  • こども家庭庁「妊婦のための支援給付」
  • 協会けんぽ「出産育児一時金・出産手当金」
  • 協会けんぽ「傷病手当金」
  • 協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」
  • 日本年金機構「障害年金」「遺族年金」
  • 日本年金機構「年金生活者支援給付金」
  • 確認日: 2026-06-11